綾崎 隼氏 著『吐息雪色』
カバーイラスト、口絵、章扉を描かせて頂きました。
今回のお話は雪がモチーフとなっており、しんしんと降り積もる雪のように切なく、少し哀しく、それでいてじんわりあたたかいお話です。
表紙の二人の微妙な距離感やシチュエーションについては、読了後もいろいろと想像できるよう描かせて頂いたつもりです。
そして、今回は何よりも綾崎さんと編集氏の「二人を描きつつ眼鏡男子押しで」という要望が強かったので、なるべく眼鏡の彼に目が行くようにと女性の目を閉じ、口元を隠しました。
もちろん、このポーズには他の意味合いの方が大きいですが、そういった裏事情、いえ、眼鏡男子事情もあったのでした。
私は、お仕事で小説を拝読する際は、なるべく心を空っぽにし客観的に読むようにしています。
それは仕事の進行効率を考えての事ですが、このお話を読んでいる時は途中から涙が止まらず、そんなに感情移入しながら読んでしまったのも久しぶりでした。
だからどうした!という話ですが、そういった事だったんです。
冬の夜に読むのに、ぴったりのお話です。
本屋さんで見かけましたらぜひお手に取って頂けますと幸いです。
綾崎 隼 著『吐息雪色』
(メディアワークス文庫/アスキー・メディアワークス)